
スペイン・日本共同研究プロジェクト:中国地方中央部地質調査2026春
2026年4月上旬、スペインのダニエル・パストルガラン博士(スペイン科学研究高等評議会CSIC地質科学研究所IGEO、兼 東北大学学際科学フロンティア研究所FRIS)と辻森教授のスペイン・日本共同研究プロジェクトに関係して、本研究室の帆足(M1)が中国地方中央部の古生代地質帯における地質調査に同行しました。スペインからは昨年の調査と同様に、オビエド大学のアルヴァロ・ルビオ・オルドネス博士も参加しました。
今回の調査では、岡山県北部など中国山地中央部に分布する古生代の地質を対象に、スペインで既に解析中の試料に対応する追加試料の採取も含め、広範囲にわたり、岩石の産状の現地確認と試料採取を行いました。その一部については本研究室においても今後詳細な解析を進める予定です。

辻森教授がこれまで何度も訪れてこられた地域において、その研究室に所属する学生である帆足も実際に調査に同行でき、大変貴重な経験となりました。また、普段の大学ではなかなか見ることのできない、野外地質学者としての辻森教授のお姿を間近で拝見できたことも印象的でした。さらに、ダニエルさんおよびアルヴァロさんとは、研究に関する話題はもちろん、日常的な会話も交えながら多くの時間を共有することができ、非常に有意義な調査となりました。
その他、調査の移動の合間に立ち寄った場所も、良い思い出となりました。神庭の滝、お蕎麦屋さん、天然記念物の桜、近くの桜並木など、各地の風景やひとときが旅の癒しとなりました。
今回の調査を通じて、研究への意識が一層高まっただけでなく、普段の生活では得がたい貴重な経験を重ねることができ、良い気分転換にもなりました。参加者4名にとって、今後の研究や生活に向けた励みとなる時間であったように思います。今後このような調査や出張の機会があれば、本研究室の他のメンバーも交えながら、ぜひまた同行させていただきたいです。

以下に、今回の調査日程における記録の一部を簡単に紹介します。
3/31(火) 晴
この日は移動日でした。参加者4名は伊丹空港で合流しました。ダニエルさんとアルヴァロさんは、マドリードから成田空港に到着するまでの約14時間の長旅の後、東京を経由し、新幹線と新大阪からのバスを利用して大阪・伊丹空港まで来られたそうです。来日直後から調査に参加されていたことには、本当に頭が下がります。調査期間中は、時差ぼけにも苦労されていたようでした。
4/2(木) 曇・晴
前日に引き続き、岡山県北部を中心に地質調査を行いました。辻森教授が学生時代に調査されていた大佐山周辺において、蓮華帯の多様な変成岩を観察・採取しました。辻森教授にとっても、30年ぶりに訪れた道路から離れた森のなかの露頭や、当時はなかった林道沿いで初めて訪れる場所もあったようで、調査地に関して新たな知見を得る機会にもなりました。
4/4(土) 雨
あいにくの雨と強風のため、この日の調査は断念しました。その一方で、調査の息抜きとして、株式会社蒜山地質年代学研究所とNPO法人地球年代学ネットワーク(jGNet)の地球史研究所の合同お花見会(室内開催)にお邪魔させていただきました。このお花見は毎年開催されているそうで、本研究室からも数名(D3古川・D3ムンフ・D1梅宮)が参加されました。多くの手料理に囲まれ、悪天候を感じさせない、大変賑やかなひとときとなりました。
4/5(日) 晴・曇
私の研究に関連して、蓮華帯の変成岩(ローソン石青色片岩およびそれに伴う大理石)の露頭の観察を行いました。昨年も同じ場所を訪れていたものの、時期が異なるため、植生や岩石の見え方など、景観がやや異なって感じられました。そのため、前回とはまた違った視点で、より詳細に産状の確認や試料採取を行うことができました。

調査期間中は朝から晩まで(ときには昼食抜きで)活動していたこともあり、大阪・伊丹空港から仙台空港へ向かう帰路の機内では、辻森教授と帆足は熟睡してしまいました。気がつけば仙台に着いていた、というほどです。一方で、ダニエルさんとアルヴァロさんは時差ぼけも改善し、雲の隙間から富士山をご覧になれたそうです。
突如決まった今回の調査同行に、当初は驚きもありましたが、辻森教授、そしてダニエルさん、アルヴァロさんとともに調査に参加できたことは、私にとって非常に有意義な経験となりました。さまざまな地域や地質、そして人との関わりに触れることができたことは、大きな学びであり、貴重な財産になったと感じています。他のお三方にとっても、研究面・生活面の両方において、何かしらの大切な時間となっていましたら幸いです。
文責:帆足