
糸魚川巡検
2025年6月9日から6月11日にかけて、本研究室の辻森樹教授が案内役となり新潟県糸魚川市に巡検に行きました。複数の研究室と合同の巡検でしたが、本研究室の学生は特別研究生のChenとM1田村が参加しました。
初日は朝7時に東北大学青葉山キャンパスの地学棟前からバスで糸魚川に向けて出発し、昼頃に糸魚川に到着しました。午後に青海川ひすい峡でひすいの巨岩を観察し、その後場所を変えて青海川の岩石を観察しました。
2日目は本来なら金山谷に入渓しひすいをはじめとした岩石を観察する予定でしたが、天候に不安があり金山谷への入渓は中止となりました。 そのため2日目は行程を変更し、まず湯ノ谷に行きエクロジャイトや青色片岩の観察をしました。湯ノ谷では横約80 cm, 縦約50 cm, 高さ約80 cmの青色片岩の転石を見つけ、ハンマーとタガネを駆使して大きく分けて二つに割り砕きました。転石を割ることで青地に花が咲いたように見える美しい青色片岩の新鮮な断面が現れ、得られた二つの岩の片方はフォッサマグナミュージアムに寄贈し、もう片方は東北大学に持ち帰りました。 次に小滝川に行き、石灰岩でできた明星山とその雄大な岩壁を観察しながら昼食をとりました。明星山の石灰岩でできた大岩壁は川が流れている底部から約400 mもの高低差があり、現地で見るとその大きさに圧倒されます。
3箇所目としてフォッサマグナパークを訪れました。ここでは日本を地質的に東西に分ける糸魚川-静岡構造線を観察できます。現地に設置されている解説は充実しており、糸魚川-静岡構造線に関する知識がなくとも楽しむことのできるスポットだと感じました。 2日目の最後はフォッサマグナミュージアム(FMM)に訪問しました。筆者自身は何度も訪れたことのある場所ですが、相変わらずひすいを中心とした岩石・鉱物・化石などの展示が充実していました。糸魚川の近くを通った際には少し足を伸ばしてでも訪れる価値のある場所だと思います。
3日目は親不知ピアパークの翡翠ふるさと館に展示されているひすいの巨岩を観察しました。このひすいの巨岩は102 tあり、これは室内展示としては世界最大級の大きさを誇ります。その後、小雨が降る中でしたが親不知ピアパークの前にある海岸でひすい探しをし、昼頃に仙台への帰路につきました。
本巡検では糸魚川の様々なスポットを巡ることができ、とても有意義なものでした。金山谷に行くことができなかったので、別の機会に金山谷に訪れたいと思います。